私が “朝の階段昇降” を続けて気づいたこと
ここ数年、寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりと、睡眠にまつわる小さな悩みが積み重なっていました。特に40代に入ってからは、疲れているのに眠れない…という夜も増えたように感じます。
そんなある日、ふとしたきっかけでで始めた「朝の階段登り降り」が、思いがけず睡眠にもいい影響を与えてくれました。最初はただの軽い運動習慣として続けていたのですが、数日〜数週間と続けるうちに、夜の眠り方に明らかな変化を感じるようになったんです。
この記事では、私が実際に取り入れて感じた睡眠の変化と、その理由を自分なりに調べてまとめています。もしあなたも眠りに悩んでいるなら、参考になる部分があるかもしれません。
階段昇降を朝に取り入れた理由と実践内容

私が階段の登り降りを運動習慣として取り入れたのは、実は10年ほど前のこと。健診でメタボリックシンドローム予備軍を指摘され、年齢とともに健康意識が高まったのがきっかけでした。特にジムに通うような時間や余裕はなかったので、身近な階段での運動を始めたんです。
当初は昼間に行うことが多く、特に時間帯にはこだわっていませんでした。ところが、ここ半年ほどは「朝にやる」というスタイルに自然と変化しました。理由は単純で、「人が少なくてやりやすい」「朝の時間を有効に使えるかも」と思ったからです。正直、あまり深く考えていたわけではありませんでした。
でも、この “なんとなく始めた朝の階段登り降り” が、思っていた以上に体にいい影響をもたらしてくれたんです。具体的には、睡眠の質がぐんと良くなった感覚がありました。朝の運動が夜の眠りにどうつながるのかなんて、そのときは考えもしていませんでしたが、継続していくうちに「最近よく眠れているな」と感じることが増えていったんです。
私の実際の朝のルーティンはというと、毎朝5時40分ころに起床し、7時前から40〜50分ほど、地上6階分の階段を地道に登り降りするというもの。週に2〜3回のペースで続けています。当初は5〜10分程度から始めて、少しずつ時間や回数を増やしていきました。
運動中はぼーっとしたり、頭の中で考えごとをしたりと、自分なりの楽しみを取り入れています。そうすることで、ただの単調な運動も苦にならず、気がつけば習慣として根づいていました。
朝に階段の登り降りをするようになってからすぐに感じたのは、頭と体が「しゃっきりする」感覚。軽く汗をかいて、体がポカポカしてくると、自然と前向きな気分で1日をスタートできるようになりました。これは、単なる健康維持だけではなく、日中の集中力や精神面にもいい影響を与えてくれていると感じています。
そして何よりの驚きは、この朝の運動が「夜の眠り」にまで好影響をもたらしてくれたこと。その変化については、次の章で詳しくご紹介します。
実感した“睡眠の質”の変化とは?

朝の階段登り降りを続けるようになって、最もはっきりと感じた変化は「寝つきの早さ」と「夜中に目が覚めにくくなったこと」でした。
以前は布団に入ってもなかなか眠れず、スマホを見たり、考えごとをしているうちに30分以上が過ぎるのが当たり前でした。眠れても途中で目が覚めてしまうことが多く、「また朝が来てしまった…」と疲れが抜けないまま目覚める日が続いていたのです。
ところが、朝の運動を取り入れて1週間ほど経った頃から、夜の感覚が少しずつ変わってきました。まず、布団に入ると10〜15分ほどで自然と眠気が来て、すっと入眠できるようになりました。さらに、夜中に目が覚める回数もぐっと減り、朝までぐっすり眠れる日が増えてきたんです。
もちろん毎日100点満点というわけではありませんが、少なくとも「寝つきが悪い」「眠った気がしない」というストレスがかなり軽減されました。これは私にとって、体重が減ったこと以上にうれしい変化でした。
ちなみに、私はスマートウォッチで睡眠時間や深い眠りの時間も記録していますが、階段の登り降りをした日の方が深い眠りの割合が高めに出ることが多い印象です(※個人差はあると思います)。特に、朝の運動後に日光をしっかり浴びている日は、夜の眠気のリズムが自然に訪れる感じがあります。
こうした変化は、日々の運動による “軽い疲労感” と、“生活リズムの安定” が関係しているのではないかと感じるようになりました。その仕組みについて、少し調べてみた内容を次にご紹介します。
なぜ朝の運動が睡眠に効くのか?調べてわかった科学的背景

実際に自分の睡眠に良い変化を感じたことで、「なぜ朝の運動がこんなに効くのだろう?」と気になり、いくつか調べてみました。
まず注目したのが「体内時計」との関係です。人間の体には約24時間のリズム(概日リズム)があり、このリズムを整えるうえで重要なのが「朝の光」と「朝の運動」だとされています。朝日を浴びることで、脳内では “セロトニン” という覚醒に関わるホルモンが分泌され、それが14〜16時間後に “メラトニン” という眠気を誘うホルモンに変わっていきます。
ここに運動が加わることで、よりはっきりと体内時計がリセットされ、「夜になると自然と眠くなる」というリズムが整いやすくなるそうです。特に軽めの有酸素運動は、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにし、自律神経のバランスを整える効果も期待できるとのこと。
また、運動によって一時的に上がった体温が、その後ゆるやかに下がる過程で眠気が生まれるともいわれています。朝の階段登り降りで適度に汗をかくことが、結果的に “夜の体温低下” をスムーズにしてくれるのかもしれません。
これらの情報を自分の体験に当てはめてみると、確かに「朝の運動+日光を浴びる」ことで、夜の眠気が自然と訪れやすくなったように思います。
つまり、私が感じた「睡眠の質の向上」は、単なる疲労だけでなく、体内時計やホルモン、自律神経といった生理的な要素が複合的に関係していたと考えられます。
出典:Circadian rhythm phase shifts caused by timed exercise vary with chronotype
Effects of exercise on circadian rhythms in humans
Effects of exercise timing and intensity on physiological circadian rhythm and sleep quality: a systematic review
The impact of exercise on sleep and sleep disorders
夜ぐっすり眠りたい人にすすめたい “朝の階段昇降”

「眠れない」「寝ても疲れが取れない」と感じているなら、まずは朝に少しだけ体を動かす習慣を試してみてほしい――。それが私がこの体験から強く感じたことです。
なかでも “階段の登り降り” は、本当に手軽で続けやすい運動です。ジムや特別な道具は必要ありませんし、天気にも左右されず、スキマ時間に自宅や職場の階段で行うこともできます。特に朝の時間帯なら人目も気にならず、静かに自分のペースで取り組めます。
階段の登り降りは心拍数がほどよく上がる有酸素運動でありながら、関節や膝に大きな負担をかけにくく、朝の体にもやさしい運動です。さらに、短時間で体温を上げられるので、脳と体をしっかり目覚めさせる効果も実感できます。
ただ、「朝から40分も運動なんて無理…」と思う方もいるかもしれません。そんなときは、まず5分だけでもOKです。1階〜2階を何往復かするだけでも、軽い息切れとともに「スイッチが入った感覚」が得られるはずです。そこから習慣が育っていきます。
私の場合は、継続するにつれ階段を登り降りするのが楽しみになってきました。タイマーを使って “15分だけやってみる” という区切り方もおすすめです。
階段昇降を習慣にするための小さな工夫
「続けるのが難しい」という方には、「形だけやる」でもいいと割り切るのがおすすめです。1往復だけでもやってみると、「せっかくだからもう少しやろう」と気持ちが乗ってくることもあります。
また、運動記録をアプリや手帳で “見える化” するのも継続のコツ。私もスマートウォッチの記録を振り返ることで「ちゃんと動けている」という実感が得られ、やる気が続いています。
睡眠の質を高めたい人にとって大切なのは、夜の過ごし方だけでなく「朝のリズム」を整えること。その第一歩として、階段の登り降りは本当に優秀な選択肢です。
続けるための “ちょっとした工夫” が習慣になる
運動を習慣にするには、「気持ちが乗らない日もどう乗り越えるか」が鍵になります。私の場合、運動を “生活の一部” に組み込んでしまう工夫がいくつか役立ちました。
たとえば、階段の登り降りをする時間帯を「迷わずやる時間」と決めてしまうこと。朝食前にやる、出勤前の15分に組み込むなど、「やるかどうか考える前に動く」状態にしておくと、習慣が根づきやすくなります。
また、「今日は気分が乗らないな…」という日は、階段を “登りだけ真剣に、下りはゆっくり” というふうに工夫していました。がっつり運動する日と比べて負荷は低めですが、それでも体を動かすことで「せっかくだし、もう少し頑張ってみようかな」という気持ちになることもあります。
「全部やらなきゃ」と思うとしんどくなりますが、「ちょっとだけやる日があってもいい」と自分に許すことで、習慣は長続きします。
階段昇降の睡眠以外のメリット

睡眠だけでなく、体力維持や気分の安定にも効果を感じています。階段の登り降りが楽になり、外出や仕事でも疲れにくくなりました。朝に軽く体を動かすことで、「今日も動けた」という安心感が生まれ、1日の始まりが前向きになります。
もしあなたも「最近よく眠れない」と感じているなら、まずは1週間だけでも “朝の階段昇降” を試してみてください。無理のない範囲で、自分なりのやり方で構いません。小さな習慣が、夜の休息を変えてくれるかもしれません。
運動×朝時間がくれた “自分との対話” の時間
もうひとつ、朝の階段登り降りを続けてよかったと思うのは、「自分だけの時間」が持てることです。静かな朝、誰にも邪魔されずに体を動かしていると、ふと考えが整理されたり、前向きな気持ちになれることがあります。
運動が終わったあと、体は疲れているのに気分はクリア。階段の登り降りは単調な動きなので、頭の中が空っぽになって、心が整うような感覚があります。いわば “朝の瞑想” のような時間かもしれません。
仕事や家事に追われる中年世代にとって、自分のための静かな時間を持つことは、とても貴重です。睡眠改善という目的を超えて、「自分を整える時間」としても、この朝の習慣は大きな意味を持っています。
「眠れる体」づくりは日々の積み重ねから
睡眠に悩みを抱える人の多くは、「今夜こそ寝たい」と思うほど、焦ってしまうものです。でも、睡眠の質は “夜の工夫” だけでは変わりません。朝に体を動かすことで、体内時計を整え、1日の流れがスムーズになります。
大切なのは、「ちょっとずつでもいいから続けてみること」。たとえば、月〜金だけやってみる。雨の日はお休みしてOK。週に2〜3回からスタートしても十分意味があります。
1週間、2週間と続けるうちに、眠りのリズムが整い、朝の目覚めも自然に。そう実感できたとき、「これからも続けてみよう」と思えるはずです。
まとめ:朝の習慣が夜の休息を変える。まずは1週間試してみて

朝の階段登り降りを習慣にしてから、私の睡眠は確実に変わりました。寝つきが良くなり、夜中に目が覚めにくくなったことで、朝の目覚めもすっきり。これは決して特別な方法ではなく、ほんの少しの時間と行動の積み重ねによって得られた変化です。
「眠れないから夜に対策を」と考えがちですが、実は朝の過ごし方こそが、夜の眠りを整えるカギになります。光を浴びて、少し体を動かして、体内時計をリセットする。このシンプルなサイクルを続けるだけで、眠りの質は大きく変わる可能性があります。
朝の習慣が整えば、夜の自分にやさしくなれる。
まずは明日の朝、ほんの数分でも階段を登り降りしてみませんか?
おことわり
本記事は筆者の個人的な体験と調査に基づいて作成したものです。
運動や生活習慣の効果には個人差があり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。
健康状態や持病をお持ちの方は、運動を始める前に医師へご相談ください。
本記事で使用した画像はNapkin AIを利用しています。